ゼロワン再開は4月12日

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写真は、いただきものの猫クッキー。
かわいすぎる!
食べられないほどに…。
でも賞味期限がきてしまうので、完食…。
そして、告知が直前になってすみません!
携帯専用サイト「集英社デジよみ」掲載中の「ゼロワン」、しばらくお休みいただいてしまってましたが、
12日に連載再開します。
お話は後半戦に入ります。
よろしくお願いいたしますー!

『GLASS HEART 熱の城』サイン本について

アニメイトさんで販売されたサイン本のお届けにも、遅延が出ています。すみません。
今月上旬お届けの予定でしたが、一週間程度の遅れがあるかもしれません。

全員サービス小冊子の応募締切(4月末日)には、間に合う見込みですが、
状況によっては、締切をすぎても応募を受け付けます。

「アニメイトオンライン」問い合わせ先
こちらのページに記載されてます。
http://www.animate-onlineshop.jp/special/sign_book/pc/

『GLASS HEART 熱の城』小冊子全員サービスに関して

「幻冬舎コミックス」さんからのお知らせです。

震災の影響で、小冊子の発送先に変更がある方々には、転送を受け付けています。
下記のメルアド・電話番号・住所のいずれかに、ご連絡ください。

http://www.gentosha-comics.net/genrou/index.html

(以下引用)
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「GLASS HEART」シリーズ 小冊子について

東北地方太平洋沖地震におきまして
被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

「GLASS HEART」シリーズ完結記念フェア
プレミアム小冊子全員サービス第二弾につきまして、
発送方法によってはお届けまでに
1週間程度かかる場合がございます。

また、小冊子の転送をご希望される方は、
お電話やメール、郵便などにて、ご連絡ください。
受付させていただきます。

【メールアドレス】
comics@gentosha-comics.net

【電話番号】
03(5411)6434

【住所】
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7
幻冬舎コミックス 「若木未生フェア」係

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「ハイスクール・オーラバスター・リファインド」短編、先行掲載

 
 すこしだけ失敗をした。
 けっして致命傷ではなかったけれど。
 人体の構造上、頭部からの出血は、実際以上に大量かつ派手に見えるのが、お約束。
 こめかみを触った掌に、べったりと赤色がついて、ああひどいなと思った。
 ひどくブザマ。

 六本木に聳えるマンションの、九〇七号室、おなじみの合わせ鏡のあいだを通りぬけて、きみたちの居場所まで無事に辿り着けるのか、わずかに危惧してしまうから。
 厳重に浄められた聖域に、血腥いヒトゴロシの存在は受容されずに、はじきだされてしまうのではないかしら、とかね。
 まあ、仮にそうでもいいんだけどね。
 そこに俺が許されないとしても、どうか、そのままでいてください。
 きみたちだけは。

 ばかね、と冴子に叱られ、彼女の奇蹟的な能力で傷を塞がれて、居間のソファで休んでいるうちに三十分ほど眠る。
 すぐそばのミニキッチンで、幾度も幾度も湯を沸かしてはポットに注ぐ気配。
「何の演習ですか」
 片眼をあけて訊いてみる。
「起きたの?」
「んんー。まだ微妙ーに、頭の半分がボヤッとしますわ」
「じゃあ寝てなさいよ、あたしは傷は塞ぐけど貧血は治さないんだから」
「きみは何をしてるの」
「何をって、お茶をいれてるのよ。忍様と、あたしと、あなたの」
「何十人分のお茶をいれておるのだ」
「まだせいぜい五十人程度よ、誤差の範囲内よっ」
「ああ、はい、うん、範囲内。そうかもしれん」
「おとなしく寝なさい」
「はい」
 命令されると嬉しくなる。
 孤独が嫌いで、確かなものに従属したがる、この悪癖。なかなか一筋縄にはいかんね。

 もう二十分眠って、目を覚ます。居間の大窓は、いちめんに落日の朱色。
 太陽を惜しむみたいに、この部屋の主は、窓際に座って本のページを繰っている。サイドテーブルには、カップアンドソーサー。カモミールの香り。
「それは二十二杯目あたり?」
 オハヨウと言う時間帯でもないので、そう質問する。
「六杯目までは数えたが、その先は忘れてしまったな」
「無茶はやめなさい。忍さん。あとは俺が飲むからやめなさい」
「これも愛する妹の涙だと思えば、このお茶は、馬の骨には渡せないな」
「あなたのシスコンは知ってますから、お茶を相手に過剰な意味づけをするのはやめなさい」
「諒。すこしでも僕の身を大切に思うなら、冴子の扱いには気をつけてくれないと困るな」
「もーのーすーごーく、わかってますよ、そんなことは!」
「そうかな?」
 小首をかしげて、愉快そうに忍がつぶやいた。

The mirrors 【2010.12】