ハイスクール・オーラバスター スペシャルCD台本

ハイスクール・オーラバスター
スペシャルCD台本
OVAプロジェクト全購入特典「秘密の鉄拳!スペシャルCD」

《登場人物》
崎谷亮介
水沢諒
里見十九郎
和泉希沙良
七瀬冴子
神原亜衣
斎伽忍

*ミニドラマに兼用して、「留守電応答メッセージ」「めざましボイス」等としても利用可能な内容になっています(そのためCDでは頭出しチャプターが各所に入ります。チャプター位置=▼Cと表記)

▼C・1
◎高陵高校・教室(昼休み)
SE ポカポカ良い天気、ハトの声、窓から校庭の音

諒 「晴れてるねぇ…のどかだねぇ…こんな日は縁側で亮介くんとお茶などすすってると幸せだねぇ(ズズッとお茶を飲む)」
亮介「ここ、学校だけどね」
亜衣「縁側? どこに?」
諒 「きみたち寒いこと言ってたらいけませんよ。心の眼で見るのよハッピーな縁側を」
亜衣「水沢君、そのお茶、崎谷君のなんだけど。それに、勝手に崎谷君のお弁当つまみぐいするのやめてくれる?」
諒 「俺と亮介くんの仲で何をいまさら」
亮介「まあまあ亜衣ちゃん、俺のお茶くらいはさ…」
諒 「ねええ。おっと卵焼きウマイわ、もひとついただき」
亮介「でも食べ物のうらみは怖いよ」
諒 「ごふごふ(咳こむ)」

SE ガラッと教室のドア開けて、足音近づき

冴子(オフ→オン)「諒、ちょっと聞いて!」
諒 「(縁側モードで)おおどうした、婆さんや」
冴子「だーれーが婆さんよ!」
諒 「のどかにお茶すするヒマくらいくださいよう。のほほん、のほほん」
冴子「なにボケッとなごんでるのよ! あら、でもちょっとおいしそう…」
亜衣「あ、冴子さんも食べてね。たくさん作ってあるから」
亮介「おいしいよ。亜衣ちゃんの手作り」
冴子「きゃー、いやーん、亜衣ちゃんのお弁当ってかわいいわ!(小声で)ねえ今度タコさんウィンナーとウサギちゃんリンゴのやりかた教えて。あたし苦手なのよね」
亜衣「(小声)大丈夫、簡単。冴子さんも大変ね、ありがたみのわからない相手だから」
亮介「ふたりで何の内緒話?」
冴子「さあねっ。豪華な三色おにぎり、もらっちゃおっと」
諒 「差別だ」
冴子「(もぐもぐ食べながら)諒、グレてる場合じゃないわよ!」
諒 「おのれが食いながらゆーても説得力ないわ」
冴子「忍様が行方不明なのよ。ずーっと留守番電話のままなの」
諒 「いつものことでしょ」
冴子「いいからあなたからも電話して!」

SE 携帯電話のボタン、ピピッと操作

諒 「教室でケータイは使用禁止」
冴子「やかましいわね。もう繋がっちゃったもの。ほら(と押しつける)」
諒 「出前迅速、問答無用かい…(電話に)もーしもーし」

SE 電話の呼び出し音……ガチャ

▼C・2【留守電1】

忍 「もしもし。斎伽忍の、魅惑の館へようこそ。だが僕は今、留守をしているんだよ。残念だな。あなたの愛の力で、僕を次元の狭間から呼び戻してくれないか。合言葉 は、愛ひとすじ。発信音のあとに、愛ひとすじ、だよ。いいね」

▼C・3
SE ピーッと発信音

諒 「なんっじゃあ、そりゃあああ!」

SE ピッと通話切る

冴子「ね。忍様ったら、お茶目でしょ?」
諒 「あのな冴子、おまえただ単に忍がお茶目だから聞かせたのかコレ」
冴子「それに美しいわ、忍様のお声。うっとり」
諒 「それだけかい…がっくり」
亮介「いったいどういう留守電なんだろう…」
亜衣「崎谷君も電話してみたら?」
亮介「なんだか、怖い気がするんだけど」

SE 電話の呼び出し音……ガチャ

▼C・4【留守電2】

忍 「もしもし。電話をありがとう。待っていたよ。しかし今、事情があって、電話に出ることができない。すまないね。もしよければ発信音のあとにメッセージを残してほしい。この孤独な心を癒すために。頼んだよ」

▼C・5
SE ピーッと発信音

亮介「あ、亮介です。えーとあの、頑張ってください。応援してます」

SE ピッと通話切る

亜衣「水沢君と反応がぜんぜん違うのはどうして?」
諒 「合言葉は愛ひとすじ、に『頑張ってください』と返せる亮介が一番怖いわ」
亮介「ええっ? そうじゃなくて、励ましたくなっちゃう留守電だったよ」
亜衣「内容が違ったってこと?」
諒 「差別だ」
冴子「ってことは他にも忍様のお言葉があるかもしれないのね」
諒 「んな何パターンも録音してるヒマがあったら電話に出やがれですよ」

◎新宿駅(放課後)
SE プラットホームの雑踏
SE 電車通過、発車のメロディなど~FO

十九郎「希沙良、こっちだ」
希沙良「なんだよおまえ、俺より先に待ち合わせ場所に来んなよ! 待たせて悪いって思っちまうだろ俺が!」
亮介「…希沙良って変わった謝り方するよね」
希沙良「ああ!? ナマイキな口きいてっと遊んでやんねーぞ(ヘッドロックをかける)」
亮介「痛たたた希沙良ーっ」
十九郎「(微笑)よくわかってるね、崎谷君」
希沙良「うるせーなぁ。ちゃんと謝りゃいいんだろ…。何やってんだ十九郎」
十九郎「冴子さんに頼まれて、ちょっと電話をね」

SE 公衆電話のプッシュ
SE 電話の呼び出し音……ガチャ

▼C・6【留守電3】

忍 「もしもし。僕だ。すまないが、僕はまだ永い眠りについている。発信音のあとに、優しく起こしてくれないか。優しくだよ。優しくしてくれないと、怒るよ」

▼C・7
SE ピーッと発信音

十九郎「……」
希沙良「(小声)おい、なんか青ざめてねえか十九郎」
亮介「(小声)何かショックなことでもあったのかな」
希沙良「(小声)あ、でも持ち直したみたいだぜ」

▼C・8【目覚まし1】

十九郎「おはようございます。もう、お目覚めになりましたか。あなたの幸せな一日が、この俺の声とともに始まることを祈っています。心をこめて、里見十九郎でした」

▼C・9
SE 電話のフック降りる、テレカが出る

希沙良「十九郎、何だ今のモーニングコール?」
十九郎「よくわからないが、斎伽さんのリクエストだ」
希沙良「ああー? またあの野郎、ふざけやがってんのか。よーし、俺もかけてやる」
亮介「里見さん、疲れてるみたいですけど…大丈夫ですか?」
十九郎「俺なりに頑張って応戦したつもりだけど、あのひとにはかなわないな」
亮介「(小声)…そういうものなんだろうか」

SE 電話の呼び出し音……ガチャ

▼C・10【留守電4】

忍 「もしもし。僕の声が聴きたかったのかい。だが、これは留守番電話だよ。言いたいことは発信音のあとに頼むよ」

▼C・11【目覚まし2】

希沙良「こらーッ! 起きろー!! 起きやがれー!! もうこんな時間なんだよ、いつまでも呼ばしてんじゃねえよ!! 起きたか!? 起きたら返事しろー!! おい、そうか、起きる気がねえんだな、知らねえぞ俺は。じゃあな」

▼C・12
忍 「…もう一度言うが、メッセージは、発信音が鳴ってからだよ」

SE ピーッと発信音

希沙良「(絶句)てめェなぁ…性格悪すぎるぜ、いくらなんでも」
十九郎「さすがは〈空の者〉伽羅王ということかな」
亮介「(小声)…関係あるんだろうか」

SE 大きく電車の通過音~FO

◎忍のマンション(夜)
SE 静寂、足音がフローリングの床を横切る、ブラインドを上げる
SE 電話が鳴る~

忍 「やれやれ。もういいかな」

SE 鳴っている電話~受話器、とる

忍 「もしもし。僕だ。夜も更けたので、本当に眠ることにするよ。楽しい遊びの続きは、 また明日だ。おやすみ。文句は、発信音のあとに」

SE ピーッと発信音

諒(遠くから、テレホンボイス)「忍ーっ! やっぱりおまえ最初っからそこにいたんだろうっ! しーのーぶーっ! 答えろ、この迷惑男ーっ(以下アドリブ)」

SE (諒のセリフ途中で)受話器、置く

忍 「(笑み)たまには平和を楽しむ機会も、僕達には必要ということさ。…おやすみ」

M(ブリッジ~FO)

[textend]
text written by mio wakagi

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